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≪工藤彰三≫
お許しをいただきましたので、通告に基づきまして、自動車から公共交通への転換促進につきまして、順次お尋ねいたします。
本日議場にお見えの皆様方は、どのような交通手段で市役所まで足を運ばれたのでしょうか。地下鉄でしょうか、自家用車でしょうか、公用車でしょうか、それともタクシーでしょうか。ちなみに私は会議のときは、市民の皆様の貴重な浄財よりちょうだいいたしております特別乗車証、いわゆる議員パスを使用し、でき得る限り地下鉄を利用し、市役所、議場に向かっております。
続きまして、質問に移りますが、名古屋はよく自動車のまちと言われます。広報なごや7月号で市長さんも書かれておりましたが、本市に関する交通量を交通手段別に見ると、鉄道・バスの公共交通利用と自動車利用の割合はおおむね3対7となっており、鉄道網が発達している東京や大阪に比べて、自動車利用の割合が本市の場合は大変高くなっております。私は、自動車交通量の増大が今後さらに深刻な社会問題を引き起こしていくのではと心配して考えておる一人であります。
名古屋市における交通問題の現状を具体的に申し上げますと、まず交通渋滞に関しては、午前7時から午前9時のピーク時間帯を中心として、庄内川、矢田川、天白川の橋梁部などで渋滞が発生しており、市内のピーク時の平均旅行速度も、愛知県内が時速28.6キロに対し、名古屋市は10キロ減の時速18.6キロメートルと著しく遅くなっております。それに加えて、例えば国道19号線、いわゆる伏見通は、本来5車線の名古屋が全国に誇る道路なのですが、残念ながら運転者のマナーの悪さによって4車線、時には3車線になっているのが実情であります。
また、交通渋滞による社会的損失について申し上げますと、交通渋滞における損失時間は、若干わかりにくいのですが、全国で年間約38億時間で、1人当たりにすると年間約30時間であります。それを金額に換算いたしますと、年間国で約12兆円、1人当たりでは年間約9万円がうしなわれているということであります。これを名古屋市の人口に当てはめてみれば、年間約6500時間、金額にして2000億円というとんでもない大損失になっているわけであります。
次に、交通事故の面から見ますと、名古屋市における交通事故による死亡者数は、12年前の平成3年の143人に対し、1年前で申しわけないんですが、平成13年は81人と4割以上減少しているものの、死傷者数では1万5123人から2万3662人と逆に5割以上増加しております。当事者別に見ても、自動車による死傷者が増大しております。交通事故による経済的損失は、人身事故、物的損失など、全国で約4兆2850億円と言われており、これを名古屋市の死傷者で換算いたしますと約850億円の経済損失となります。
また、名古屋市は、地球温暖化の一因となる二酸化炭素の排出量について、名古屋市地球温暖化防止行動計画の中で、2010年までに1990年比で10%削減することにしています。2000年の現状は、1990年と比較して総排出量では2.5%減少しておりますが、運輸部門の排出量は3.6%増加しております。その8割以上が自動車からの排出となっています。特に名古屋は、運輸部門からの排出量が占める割合が33.9%で、全国の20.7%と比較して非常に高くなっておりまして、運輸部門での排出量削減、これまでの1.5倍の削減が大変重要な課題と考えております。公共交通の利用人数にしても、自動車利用の増大により全般的に減少あるいは伸び悩みの傾向にあり、交通事業者の経営状況も厳しい状況が続いております。
このように自動車依存でさまざまな問題が生じていることにつきまして、私は、名古屋市民の皆様が余りにも歩かな過ぎるところに一つ原因があるのではないかと考えております。このような問題を解決するに当たりまして、名古屋市民の皆様は、もっと公共交通を利用し、歩く習慣をつけることが大切だと思います。歩くということは、健康促進やお年寄りの皆さんの痴呆予防にも大変効果があることを申し上げます。しかし、安心で安全な都市を売り物にしている名古屋にしては、路上でのひったくりなどが多発し、お年寄りの方やお子さんたちが楽しく安心して歩いて遊んで出かけることに対して出にくくなっているという情けない報道が日々取り上げられております。何とかしてもらいたいものでございます。
通勤の割合について申し上げますと、名古屋地域では通勤の約3分の2、おおむね65%から67%が自動車利用なのに対し、東京や京阪神地域では約3分の1程度しか自動車通勤がなく、公共交通の方が圧倒的に多く利用されております。公共交通を使って通勤し、歩く習慣がきちんと都民、市民に身についております。特に東京23区内では、何と82.3%、5人のうち4人の方が公共交通を利用されて通勤されていることが明らかになっております。都市の魅力、活力は、公共交通が利用しやすく、歩くことが楽しい、まちが明るいということで高まっていくものではないかと思いますが、名古屋市民の皆様に、歩くこと、公共交通を利用することの大切さをこの際理解していただき、自動車利用を制御するためにどのような施策を名古屋市は考えているのか。特に、市民のライフスタイルを自動車から徒歩や公共交通へ誘導することも今後進めていくべきことであると考えますが、そのような施策について総務局長の見解をお尋ねいたします。
また、特に非常に重要な問題として、公共交通が利用されない一因として、自動車に比べ公共交通サービスの魅力が向上していないことも一つの問題ではないでしょうか。公共交通サービスの魅力向上により、名古屋市民が公共交通を利用するよう誘導できるはずだと考えております。
今ここに、1日の名古屋市内交通機関利用状況のデータがあります。そのうち地下鉄利用者は1日平均112万人であり、市内すべての交通機関利用者全体の約3割強しかありません。交通局は、ことし3月に市営交通事業中期経営健全化計画を策定し、平成17年度を目標に、市営交通事業として事業収支の改善を図り経営基盤を確立することで、市民、利用者の皆様に安定的なサービスを提供するとしておりますが、私には具体的な数字や真のサービス像がさっぱり見えてこないのはどういうことでしょうか。確かに現在の厳しい財政状況の中で、健全化計画をつくり経営努力をしていくということは大切なことであると思いますが、支出を抑えることばかりに重きが置かれ、収入増につながるような公共交通の魅力を向上させる戦略、利用者増加につながる営業努力に懸命に取り組む姿は全く見えません。厳しい言い方ですが、交通局の姿勢に大問題があるのではないでしょうか。
例えば、パーソントリップ調査の数値で見ると、名古屋市関連の通勤者のうち、約54万人が自動車利用で通勤されております。仮にこのうち10%が公共交通に転換すれば、帰宅の分も合わせまして、大体おおむねですが、1日当たり約10万人の利用増となります。この10万人の利用者増があれば、当選混雑率が増加することになります。しかし、逼迫した財政状況の中で、利用者の増加はそのまま収入の増加につながると私は考えます。
先般、このことについて調査させていただきました。地下鉄利用者10万人の増加は、年間約60億円の収入増になります。例えて言いますと、現議場で審議されております敬老パスの地下鉄負担金約49億円よりも10億円以上多い計算になります。なぜ今までこのような観点、発想がなかったのか、私には不思議でなりません。混雑緩和の受け皿として輸送力の向上を図ることは、当然営業努力項目であると私は認識しております。例えば、つり革のみの通勤用車両の導入など−−ただし優先席はつくってあります、やるべき施策は幾らでもあると私は考えます。
また、来年10月にはITS世界会議が開催され、再来年には皆様が待ち望んでおります中部国際空港の開港、「愛・地球博」の開催と、日本各地や世界から多くの人々が名古屋を訪れ、名古屋の交通事情に触れることになります。その際、地下鉄を利用しようとしても、案内が不十分、さきの6月議会でも質問させていただきましたが、公共トイレが見つからないではどう思うんでしょうか。やはりこの機会にこの我がまち、我が都市名古屋をよい印象で世界に発信できるよう、公共交通サービスの充実を図っていくことが必要ではないでしょうか。公共交通を利用することの大切さを市民の皆様に理解していただくことや企業や団体への協力を働きかけること、さらに公共交通の魅力向上を図ることが、通勤を初めとしたさまざまな目的で公共交通がこれまで以上に名古屋市民の皆様に利用されるために極めて重要な課題であると考えます。
そこで、交通局長にお尋ねいたします。先ほど申し上げました自動車通勤者の1割、すなわち1日約10万人の人々が自動車から地下利用に転換したとすると、地下鉄事業収支はどの程度好転するのかについてお伺いいたします。また、名古屋市全体で公共交通の利用を促進していくための取り組みを行っていくこともさることながら、交通局として、公共交通の骨格としての地下鉄利用者増につながる戦略を考えていらっしゃるのか、あわせてお伺いいたします。また、今までこのようなことが庁内では議論されなかったのでしょうか。
そのことをお尋ねいたしまして、私の第1回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○総務局長(諏訪一夫君)
公共交通への転換促進策についてお尋ねをいただきました。
本市では、これまで公共交通や道路などの交通基盤を整備し、人々が移動しやすいまちづくりに努めてまいりました。しかしながら、交通渋滞や交通事故、CO2など排出ガスによる環境への負荷などさまざまな問題が発生しております。こうした状況を受けまして、現在、自動車利用の適正化を図り公共交通への転換を促進する施策について、名古屋市交通問題調査会で審議を進めており、一つ目に環境にやさしい交通、二つ目にまちの賑わいを支える交通、三つ目といたしまして安全・快適な交通、この三つの目標がキーワードとして掲げられているところでございます。
調査会では、これえらの目標を達成するため、駐車規制のあり方など、自動車利用を制御する施策や公共交通を利用して買い物をするとサービスが受けられる交通エコポイント、さらにITSの技術を活用して、出発地から目的地へ公共交通で最も早く行ける経路が携帯電話でわかるシステムなど、さまざまな施策を効果的に組み合わせていく、いわゆる施策のパッケージ化の検討が進められているところでございます。
次に、公共交通型ライフスタイルへの誘導策についてでございます。
本市における交通体系を交通手段別に見ますと、公共交通機関と自家用車の割合が3対7と自動車依存型となっております。調査会では、これを4対6へと近づけていく方策について審議を進めておりますが、これを実現するためには、単に規制や事業を実施するだけでなく、市民や企業がより公共交通をつかっていただくよう誘導することが必要であると考えております。したがいまして、来年の春に予定されております答申を踏まえまして取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
○交通局長(塚本孝保君)
公共交通型ライフスタイルへの誘導策に関連して、交通局に2点のお尋ねをいただきました。
まず、自動車通勤者の1割の方々、すなわち1日10万人の方が自動車から地下鉄利用に転換した場合の収支に与える影響についてでございます。
平成15年度の地下鉄事業におきましては、659億円の乗車料収入を予定するなど、収支といたしましては150億円余の赤字を見込んでおります。この場合、1日10万人のお客様が自動車から地下鉄に転換していただきますと、議員御指摘のように、計算の上では乗車料収入が約60億円増収になりますことから、仮にコスト増がないといたしますと、その分収支の改善が図られるものとなります。
次に、公共交通としての魅力を向上させることにより地下鉄の利用者増を図る必要があるとの御指摘をいただきました。
地下鉄の利用者がふえますことは、公共交通としての役割が増すとともに、事業財政の改善にもつながるものでございまして、大変大切なことと考えております。そうした観点から、地下鉄の整備を進め、地下鉄自身の利便性を高めることはもとより、地下鉄と市バスによるネットワークを充実させ、お客様にとって利用のしやすい、安全・快適で効率的な輸送サービスの充実に努めているところでございます。
こうした地下鉄の整備やネットワークの充実に加えまして、利用者増につなげるためのお客様の利便性の向上の面から、鶴舞線の終車延長の実施やホームページを利用した時刻表案内などの情報提供に加えまして、携帯電話による時刻表案内サービスを実施するとともに、カードの共通利用システム、トランパスの導入などを進めてきたところでございます。さらに、お客様により快適に御利用いただけるように、平成22年度を目標に、今年度以降170億円余をかけてエレベーターを中心としてホームから地上まで円滑に移動できる車いす経路を確保するなど、バリアフリー化の促進やわかりやすい案内サインの整備を行うほか、信頼と親しまれ愛されるサービスをお客様に提供するための接客サービスの向上など、職員の資質向上にも努めているところでございます。また、施策を推進する当たりましては、局内はもとより、必要な場合には庁内の連絡会議などを活用するなど、御協力や御意見をいただくことに努めているところでございます。今後ともこうした施策を推進することにより、魅力ある地下鉄を目指し、さらに積極的に乗客誘致に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
≪工藤彰三≫
それぞれ御答弁いただきまして、ありがとうございました。
交通局長さんに再度お伺いさせていただきます。残念なのは、最初から150億円という赤字を見込んでいる、こういうことをなるべく解消していただきたい。
次の質問は、お金の面じゃなくて、例えば、今少子化で大変なんですが、妊婦の方がベビーカーを押してデパートなどでエレベーターに乗ろうとしたとき、すぐに店員さんなどが対応してくれます。先ほど答弁していただきました地下鉄の乗車時にそのような真心あふれる、いわゆる真の接客サービスなどはどの程度本気で考えていらっしゃるのでしょうか。接客専門のインストラクターを招き、教育の徹底、定期的な実技試験等必ず実施していただきたいと考えます。
もう1点、市民の皆さんに愛される地下鉄とおっしゃいますが、交通局当局みずからが自分たちの努力と強い信念をお持ちになり、今後どのような施策を打ち出せば、市民の皆様の御支持を得ることができると思いますか、いかがでしょうか、交通局長さん、お願いいたします。
○交通局長(塚本孝保君)
地下鉄の利用者増に関連して、真の接客サービス向上にどのように取り組むのかと再度のお尋ねでございます。
議員御指摘のように、市民、利用者の皆様方に愛される地下鉄とするためには、接客サービスの向上は非常に重要なものと考えているところでございます。このため、真心サービスを交通事業に従事する全職員の基本姿勢として、職員研修はもとより、サービス強化月間、職員の個別指導や本年度から取り組みましたお客様からの御意見はがきの活用などを行い、接客サービスの向上に取り組んできたところでございます。
また、御指摘いただきました接客専門の外部講師による接客サービスの向上につきましては、その充実を図ってまいりたいと考えております。私どもといたしましては、安全で快適にお客様に御利用いただけますよう、全職員一丸となって接客サービスの一層の向上に努め、愛される地下鉄を目指してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
≪工藤彰三≫
御答弁ありがとうございました。仕事じゃなくてサービスですので、懸命に努力していただいて、民営化にならないように頑張ってください。
最後に、松原市長に要望して質問を終わりたいと思います。松原市長さんは、就任以来大変な問題
、ごみ問題を徹底して名古屋市民に問いかけ、啓発活動をなされてまいりました。その信念には、私はまことに敬服いたしております。偉大な指導者であり、教育指導者であります市長さんに、今後はその強いリーダーシップを、名古屋市民の皆さんにどんどん歩いていただく運動と通勤体系を公共交通機関へ移行するという、まさに名古屋市が抱える難問打破に向けてその力を遺憾なく発揮していただきたいと切にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) |